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プロフィール
HN:
水草蓮
性別:
女性
職業:
副団長
趣味:
もふ
自己紹介:
もふに夢中なダメ女。
エルクお誕生日おめでとう!
もう26歳か?
うはぁ~お互い歳とりましたなぁ(笑)
アークも発売して去年で10年たったしね
アークは27か。
えっと…アレクは22あたりかな?
あれ?今年で23?
あたし設定だと新婚1年目あたりか(笑)
アレエル万歳!
やっぱり少数派になるあたし。
ジャンルも少数なのにネ。
いい加減、メジャーなのに当たりたいが無理だな…ハハハ…orz
****
「うわぁ~ん!
何処にいるんですかぁ!」
アレクはそう叫んだ。
今日は尊敬し、好きで好きで仕方がないハンターの大先輩エルクの誕生日である。
プレゼントをふたつき前から悩んで考えてあれでもないこれでもないと散々迷って購入したものである。
正直、色々ぶっとばして結婚指輪を…とか考えたが、きっと、あの照れ屋な先輩は悲しい事に全力で逃げるのであろう。
いや、そこも可愛いんですけどっと思考がぶっとんでしまうのは仕方がない。
恋は網膜。妄想。もうひとおし。
多分、好かれていると思うからこそのアタック。
砕けても僕にはキュアとリザレクがある!
とまぁ良くわらかない理論でつき進んでいるのである。
教授もびっくり。
んで、プレゼントを購入したのは良かった。
手渡ししたくてギルドマスターにエルクの居場所を訪ねてみた。
「…長期休暇とっているから分からない。」
鼻歌まじりにライナ嬢のを口ずさみながらそう軽い返事が帰ってきた。
それからアレクの24時間以内に愛しのエルクを探す世界一周の旅が始まった。
まず最初にペイサス。
大図書館で調べたいのがあるなぁ…と言っていたのを思い出したのである。
主人公の特権をいかして我が物にしたホバーをぶっとばしてペイサスに突撃。
「エルクさんっ!
いますか!?」
ばんっと大図書館の扉を開く。
「うるさいですよ。」
館長がしかめ顔で言う。
「すみません。
こちらにエルクさんきませんでしたか?
オレンジ色の長いマントにすらりとした肢体。凄く綺麗な黒髪を頭の天辺でゆっていて、それはもう美人なんですよ。」
アレクが力説する。
館長は少し考えてから、
「2時間前位に確かいたぞ。」
カウンターに探している図書名を聞きにきたのである。
余りにも鮮やかなオレンジのマントだったから覚えている。
「ハンターが呼びにきて行ってしまったぞ。」
「ギルドですね。
ありがとうございました!」
お礼を言い、図書館を出てギルドへ。
「すみません。
ハンターエルクを探しているのですが…。」
「おやハンターアレク。
君の噂はかねがね聞いているよ。」
「ありがとうございます。
それでハンターエルクの居場所なんですけど…。」
アレクがじれったそうに聞く。
「ハンターエルクならラマダ山の麓に。
凶悪なモンスターが出たんでね。
休暇だと聞いていたが、我々ではどうしょうもなくて。」
「ラマダ山の麓ですね。
ありがとうございました!」
お礼を言うなりアレクがギルドからでてゆく。
「…ここで待っていれば戻ってくるのに。」
そんなに大切な用事があるのかなぁ…と思いながら仕事に戻った。
「うるぁぁぁー!」
襲いかかってくるモンスター。
「エルクさんラブアタァァァァック!」
ウザい力技でごり押ししながら突き進む。
本人が聞いたら確実にアレクの息の根を止めるだろう。
ラマダ山の麓。
ゴツゴツとした岩肌の場所で、ラマダ僧の修行の場である。
ここには貴重な薬草が生えていて、一般の人も時々訪れた。
「ハァハァ…。
時間食ってしまったな。」
汗を拭い、周囲を見渡す。
薬草を摘みにきた一般の人が数人いるだけだった。
「すみません。
ここにハンターが来ませんでしたか?」
そう聞くと、
「あぁ。いたよ。
凄い炎使いだったねぇ。」
妙齢の女性が興奮したように言う。
「あっというまに倒してくれて。
本当にありがたい。」
女性の旦那らしい人も言う。
「しかも美人ときたものだ。
うちの息子の嫁に欲しい位だよ。」
「エルクさんは僕の妻(になる予定)です。」
アレクが真顔で断言する。
「………そ…そうですか。」
夫妻がドン引きする。
「で。そのハンターは?」
「…えっと、数分前に去って行ったよ。
お礼がしたいと言ったら、
テスタに用事があるからと…。」
「テスタか…わかりました。
ありがとうございます。」
礼を言って走り出す。
数分前ならまだ間に合う。
アレクが走り去ってから、
「あんた。ハンターさんが帰ったのは数時間前だよ。」
「おっとしまった。」
「おかしいな…エルクさんが数分前に戻ったなら途中ですれ違うはずだよな…。」
まさか数分と数時間前の間違いに気がつくわけなく、アレクは突き進む。
ペイサスからテスタへ。
「多分、トッシュさんとのところに寄るよな。」
そう思い、足をトッシュ組へと向けた。
「ようこそハンターさん。」
トッシュ組の子分が挨拶をする。
「こんにちは。トッシュさんいますか?」
「へいおりますぜ。
今日は嬉しい日ですな。
ハンターさんが二人も!」
「二人?」
アレクが聞く。
「へい。親分の昔馴染みのハンターさんです。」
いやー綺麗な人ですよね!と子分が感想をもらす。
「どれくらい前に来ました!?」
「えっと…2時間前位…ですね。」
「2時間?!」
おかしな誤差にびっくりする。
「へい。親分と20分位話して帰りました。」
「あれ…数分から2時間…2時間…?」
アレクが呆然と立ち尽くす。
「ハンターさん?」
子分が何か悪い事を言ってしまったのかと心配そうな顔をする。
「あ。そのハンターが何処に向かったのかわかりますか?」
「いえ…あ。親分ならわかるかと。」
「よぉアレク。」
重ねた畳の上。
あぐらをかいて酒をあおっている。
「お久しぶりです。
トッシュさん。」
「おう。今日は嬉しい日だな。
昔馴染みに2人も会えるとは。」
「あ。それでなんですけど、エルクさん何処に行ったのか知りませんか?」
「なんでぇエルク探しか。
相変わらず尻追いかけているのか。」
トッシュが面白そうにクツクツと喉の奥で笑う。
「えぇまぁ。」
アレクが苦笑する。
「エルクのヤツも罪作りだな。
さっさと大人しくなればいいのに。」
ため息混じりの言葉。
「まだ引きずっているのかヤツに操立てているねか知らねぇがいい加減、座りこんでもいいものを…。」
「そうですね。
エルクさんはいつも立っていますからね。」
ため息がつい出てしまう。
自分が彼女を座らせてあげられる場所になりたい。
出来るものなら膝に座って欲しい。ハァハァ。
「おぅ。話がそれたな。
エルクはパンディラだぜ。
通の店で買い物したいからアリじいの名前教えろってきたんだ。」
「そうなんですか。
ありがとうございます。」
「いんや。気にするな。」
トッシュが手を振る。
「それでは失礼します。」
「おうよ。また来いよ。
今度はエルク引きずってこい。
まぁ…ヤツもお前さんの事真面目に考えているみたいだから諦めるなよ。」
トッシュがにやりと笑みを浮かべる。
「はい。諦めませんよ。」
ぺこりと頭を下げて部屋からでる。
「…ふぅ。」
息をひとつついて酒を飲む。
「エルクのヤツも逃げないで向き合えっての。」
自分しか居ない部屋に響いた。
カジノの街パンディラ。
昼間でもチカチカと電球が光っている。
「相変わらずだなぁ…。」
がらんとした小汚い店。
アリじいの店である。
ドアを押すとギィ…と鈍い音が鳴った。
「こんにちは。」
「おや…いつぞやのハンターの小僧。」
丸い眼鏡が光る。
「珍しいな。
2人も買い物にくるなんて。」
「相変わらずですね。
えっとですね。
ここにオレンジ色のマントをはおった美人がきませんでしたか?」
そう訪ねると、
「来たぞ。
なかなか通な物を買って行ったぞ。」
「はぁ…。
それで、その人が何処に行ったのか知りませんか?」
「知らん。」
その3文字に落胆。
そこで手がかりは途絶え、アレクは手当たり次第心辺りを回ってみたが、全く駄目で。
しょんぼりとしながら自宅。
サシャ村へと帰った。
「…あ…あれ…?」
アレクが目をこする。
誰もいないハズの家に灯りが。
「ルッツか?」
そう思いながらドアを開くと。
「お前超おっせーな。」
イライラとテーブルを長くて細い指でリズム良く叩いている。
テーブルには食事の支度。
「あ…あれ?エルクさん?」
ごしごしと目をこすって見るが、自分の部屋にはエルクがいた。
「な…なんでウチに…?」
そう問うと、
「ハァ?お前が今日家にこいって言ったんだろーが。」
エルクが怪訝な顔で睨みつける。
「……………あ。」
アレクがぽんと手を打つ。
「…忘れていたのか…?」
心なしかエルクさんの声低い。
そう思いながら、
「あははははは…。
本当っにすみません。」
即土下座した。
「…チッ。わざわざ休みとってこなけりゃ良かった。」
面白くなさそうに舌打ちして言うが、声は笑いを堪えている声で、
「本当にごめんなさい。
僕…。」
「いんや。もーいいよ。」
エルクが手を振る。
「面白いの見たしな。
土下座かぁ~。くっくっく…。」
心底楽しそうに笑う。
「・・・すみません。」
「いや。もう本当にいいよ。
んでさ。今日呼びつけた理由は?」
濃厚な赤ワインを自分のグラスに注ぎ、一気にあおる。
昔は一口二口で伸びていたが、あの大災害が起きてから
一切酔わなくなってしまった。
それでもどこかあのガンガンする二日酔いが恋しいのか馬鹿みたいに
酒を浴びるように飲んでは平気な顔して仕事に出てしまう。
「で。お姉さんを呼び出して何かな?」
わかっているクセに。とか思いながら
「今日はエルクさんのお誕生日なので、直接プレゼントを渡したかったんです。」
そういうと、
「あれ?今日だっけ?」
とボケる。
「・・・・・4月の11日ですよね?」
「・・・あ。そっか。」
ぽんと手を打つ。
「本気で忘れていたんですか?」
「いや・・そっか。そうか。今日か。はぁ~。
俺も歳とったなぁ・・・。」
エルクがはぁ~と溜息をつく。
「俺も歳とったわけだ。」
昔はもっとピチピチだったのにとエルクがこぼす。
「今でも十分ぴちぴちのむちむちですよ!」
握りこぶしをして無駄に力説する後輩ハンター。
「・・・お前はどこのおっさんだよ。」
苦笑を浮かべてアレクのグラスにワインを注ぐ。
「とりあえず、冷めちまったけど食おうぜ。
あちこちまわって買ったヤツだから安心して食えるぜ。」
そう言ってスープを温めるためにエルクが立ち上がる。
「あ。僕がやりますよ。」
アレクが尽かさず立ち上がり、台所へと向かう。
たぶん、スープを温めるだけで台所がかわいそうな事になるから。
と思ったら意外ともう手遅れで、適度にこそこそ掃除をしながら
スープを温めた。
もりもりと適度に食事をしながら情報交換をする。
そこら辺で色気がまったくないのが彼女らしい。
適度に腹が満たされ、酒も回り、ほろ酔い気分。
「あ。で。アレク。俺に渡したいのって?」
思い出したかのようにエルクがいう。
「あ。はい。ちょっとまってください。」
鞄をつかんで持ってきて、中身を取り出す。
「はい。お誕生日おめでとうございます。」
「おう。ありがとう。」
なんか照れくさいなと言いながらもうれしそうに包みを受け取る。
淡いオレンジの包み。
「開けてもいいか?」
「はい。」
アレクがにこにことしている。
がさがさと開くと、自分のマントよりも鮮やかなオレンジ。
「うわぁ・・。」
端を持って立ち上がる。
機能性を考えられたドレス。
動きやすさ重視したデザインだが、おとなしい印象を受ける。
胸元に燃えるような赤い大輪が咲いている。
「どうですか?エルクさん専用のドレスです。
頼んで作ってもらいました。」
少々値が張ったが、まぁそれも良しとしよう。
「綺麗だな。ありがとう。こんなのもらったの初めてだ。」
エルクが満面の笑みを浮かべる。
普段は強気で男勝りだが、やっぱり一人の女性。
そういうものに弱いのである。
「似合うかな?」
体に当てながらエルクが聞く。
「はい。もちろんです。僕が見立てんですから。」
「そっか。」
エルクが素直に納得する。
「うーん。着てみたいけど、汚したくないしなぁ・・。」
エルクが壁に下がっている真四角の小さい鏡の前でくるくると回っている。
「それじゃぁ、こうしましょう。」
アレクがいう。
「僕の誕生日にそれを着てお祝いしてください。」
そういうと、
「うっわ。それ目当てかよ。」
エルクが苦笑を浮かべる。
「一番着飾ったエルクさんが僕の最高のプレゼントです。
どうですか?」
そう聞くと、
「覚えていたらな。」
エルクが笑ってそう返事を返した。
++++++
このままギャグで突っ走るのもアリだったけど、
おとなしく馬鹿ップルでしめてみました。
ギャグだと、送るのは下着です(笑
盛大に家ごとアレクを燃やしてほしい。
むしろ、あ・・あたしをもy(ry
エルク。お誕生日おめでとうですvv
もう26歳か?
うはぁ~お互い歳とりましたなぁ(笑)
アークも発売して去年で10年たったしね
アークは27か。
えっと…アレクは22あたりかな?
あれ?今年で23?
あたし設定だと新婚1年目あたりか(笑)
アレエル万歳!
やっぱり少数派になるあたし。
ジャンルも少数なのにネ。
いい加減、メジャーなのに当たりたいが無理だな…ハハハ…orz
****
「うわぁ~ん!
何処にいるんですかぁ!」
アレクはそう叫んだ。
今日は尊敬し、好きで好きで仕方がないハンターの大先輩エルクの誕生日である。
プレゼントをふたつき前から悩んで考えてあれでもないこれでもないと散々迷って購入したものである。
正直、色々ぶっとばして結婚指輪を…とか考えたが、きっと、あの照れ屋な先輩は悲しい事に全力で逃げるのであろう。
いや、そこも可愛いんですけどっと思考がぶっとんでしまうのは仕方がない。
恋は網膜。妄想。もうひとおし。
多分、好かれていると思うからこそのアタック。
砕けても僕にはキュアとリザレクがある!
とまぁ良くわらかない理論でつき進んでいるのである。
教授もびっくり。
んで、プレゼントを購入したのは良かった。
手渡ししたくてギルドマスターにエルクの居場所を訪ねてみた。
「…長期休暇とっているから分からない。」
鼻歌まじりにライナ嬢のを口ずさみながらそう軽い返事が帰ってきた。
それからアレクの24時間以内に愛しのエルクを探す世界一周の旅が始まった。
まず最初にペイサス。
大図書館で調べたいのがあるなぁ…と言っていたのを思い出したのである。
主人公の特権をいかして我が物にしたホバーをぶっとばしてペイサスに突撃。
「エルクさんっ!
いますか!?」
ばんっと大図書館の扉を開く。
「うるさいですよ。」
館長がしかめ顔で言う。
「すみません。
こちらにエルクさんきませんでしたか?
オレンジ色の長いマントにすらりとした肢体。凄く綺麗な黒髪を頭の天辺でゆっていて、それはもう美人なんですよ。」
アレクが力説する。
館長は少し考えてから、
「2時間前位に確かいたぞ。」
カウンターに探している図書名を聞きにきたのである。
余りにも鮮やかなオレンジのマントだったから覚えている。
「ハンターが呼びにきて行ってしまったぞ。」
「ギルドですね。
ありがとうございました!」
お礼を言い、図書館を出てギルドへ。
「すみません。
ハンターエルクを探しているのですが…。」
「おやハンターアレク。
君の噂はかねがね聞いているよ。」
「ありがとうございます。
それでハンターエルクの居場所なんですけど…。」
アレクがじれったそうに聞く。
「ハンターエルクならラマダ山の麓に。
凶悪なモンスターが出たんでね。
休暇だと聞いていたが、我々ではどうしょうもなくて。」
「ラマダ山の麓ですね。
ありがとうございました!」
お礼を言うなりアレクがギルドからでてゆく。
「…ここで待っていれば戻ってくるのに。」
そんなに大切な用事があるのかなぁ…と思いながら仕事に戻った。
「うるぁぁぁー!」
襲いかかってくるモンスター。
「エルクさんラブアタァァァァック!」
ウザい力技でごり押ししながら突き進む。
本人が聞いたら確実にアレクの息の根を止めるだろう。
ラマダ山の麓。
ゴツゴツとした岩肌の場所で、ラマダ僧の修行の場である。
ここには貴重な薬草が生えていて、一般の人も時々訪れた。
「ハァハァ…。
時間食ってしまったな。」
汗を拭い、周囲を見渡す。
薬草を摘みにきた一般の人が数人いるだけだった。
「すみません。
ここにハンターが来ませんでしたか?」
そう聞くと、
「あぁ。いたよ。
凄い炎使いだったねぇ。」
妙齢の女性が興奮したように言う。
「あっというまに倒してくれて。
本当にありがたい。」
女性の旦那らしい人も言う。
「しかも美人ときたものだ。
うちの息子の嫁に欲しい位だよ。」
「エルクさんは僕の妻(になる予定)です。」
アレクが真顔で断言する。
「………そ…そうですか。」
夫妻がドン引きする。
「で。そのハンターは?」
「…えっと、数分前に去って行ったよ。
お礼がしたいと言ったら、
テスタに用事があるからと…。」
「テスタか…わかりました。
ありがとうございます。」
礼を言って走り出す。
数分前ならまだ間に合う。
アレクが走り去ってから、
「あんた。ハンターさんが帰ったのは数時間前だよ。」
「おっとしまった。」
「おかしいな…エルクさんが数分前に戻ったなら途中ですれ違うはずだよな…。」
まさか数分と数時間前の間違いに気がつくわけなく、アレクは突き進む。
ペイサスからテスタへ。
「多分、トッシュさんとのところに寄るよな。」
そう思い、足をトッシュ組へと向けた。
「ようこそハンターさん。」
トッシュ組の子分が挨拶をする。
「こんにちは。トッシュさんいますか?」
「へいおりますぜ。
今日は嬉しい日ですな。
ハンターさんが二人も!」
「二人?」
アレクが聞く。
「へい。親分の昔馴染みのハンターさんです。」
いやー綺麗な人ですよね!と子分が感想をもらす。
「どれくらい前に来ました!?」
「えっと…2時間前位…ですね。」
「2時間?!」
おかしな誤差にびっくりする。
「へい。親分と20分位話して帰りました。」
「あれ…数分から2時間…2時間…?」
アレクが呆然と立ち尽くす。
「ハンターさん?」
子分が何か悪い事を言ってしまったのかと心配そうな顔をする。
「あ。そのハンターが何処に向かったのかわかりますか?」
「いえ…あ。親分ならわかるかと。」
「よぉアレク。」
重ねた畳の上。
あぐらをかいて酒をあおっている。
「お久しぶりです。
トッシュさん。」
「おう。今日は嬉しい日だな。
昔馴染みに2人も会えるとは。」
「あ。それでなんですけど、エルクさん何処に行ったのか知りませんか?」
「なんでぇエルク探しか。
相変わらず尻追いかけているのか。」
トッシュが面白そうにクツクツと喉の奥で笑う。
「えぇまぁ。」
アレクが苦笑する。
「エルクのヤツも罪作りだな。
さっさと大人しくなればいいのに。」
ため息混じりの言葉。
「まだ引きずっているのかヤツに操立てているねか知らねぇがいい加減、座りこんでもいいものを…。」
「そうですね。
エルクさんはいつも立っていますからね。」
ため息がつい出てしまう。
自分が彼女を座らせてあげられる場所になりたい。
出来るものなら膝に座って欲しい。ハァハァ。
「おぅ。話がそれたな。
エルクはパンディラだぜ。
通の店で買い物したいからアリじいの名前教えろってきたんだ。」
「そうなんですか。
ありがとうございます。」
「いんや。気にするな。」
トッシュが手を振る。
「それでは失礼します。」
「おうよ。また来いよ。
今度はエルク引きずってこい。
まぁ…ヤツもお前さんの事真面目に考えているみたいだから諦めるなよ。」
トッシュがにやりと笑みを浮かべる。
「はい。諦めませんよ。」
ぺこりと頭を下げて部屋からでる。
「…ふぅ。」
息をひとつついて酒を飲む。
「エルクのヤツも逃げないで向き合えっての。」
自分しか居ない部屋に響いた。
カジノの街パンディラ。
昼間でもチカチカと電球が光っている。
「相変わらずだなぁ…。」
がらんとした小汚い店。
アリじいの店である。
ドアを押すとギィ…と鈍い音が鳴った。
「こんにちは。」
「おや…いつぞやのハンターの小僧。」
丸い眼鏡が光る。
「珍しいな。
2人も買い物にくるなんて。」
「相変わらずですね。
えっとですね。
ここにオレンジ色のマントをはおった美人がきませんでしたか?」
そう訪ねると、
「来たぞ。
なかなか通な物を買って行ったぞ。」
「はぁ…。
それで、その人が何処に行ったのか知りませんか?」
「知らん。」
その3文字に落胆。
そこで手がかりは途絶え、アレクは手当たり次第心辺りを回ってみたが、全く駄目で。
しょんぼりとしながら自宅。
サシャ村へと帰った。
「…あ…あれ…?」
アレクが目をこする。
誰もいないハズの家に灯りが。
「ルッツか?」
そう思いながらドアを開くと。
「お前超おっせーな。」
イライラとテーブルを長くて細い指でリズム良く叩いている。
テーブルには食事の支度。
「あ…あれ?エルクさん?」
ごしごしと目をこすって見るが、自分の部屋にはエルクがいた。
「な…なんでウチに…?」
そう問うと、
「ハァ?お前が今日家にこいって言ったんだろーが。」
エルクが怪訝な顔で睨みつける。
「……………あ。」
アレクがぽんと手を打つ。
「…忘れていたのか…?」
心なしかエルクさんの声低い。
そう思いながら、
「あははははは…。
本当っにすみません。」
即土下座した。
「…チッ。わざわざ休みとってこなけりゃ良かった。」
面白くなさそうに舌打ちして言うが、声は笑いを堪えている声で、
「本当にごめんなさい。
僕…。」
「いんや。もーいいよ。」
エルクが手を振る。
「面白いの見たしな。
土下座かぁ~。くっくっく…。」
心底楽しそうに笑う。
「・・・すみません。」
「いや。もう本当にいいよ。
んでさ。今日呼びつけた理由は?」
濃厚な赤ワインを自分のグラスに注ぎ、一気にあおる。
昔は一口二口で伸びていたが、あの大災害が起きてから
一切酔わなくなってしまった。
それでもどこかあのガンガンする二日酔いが恋しいのか馬鹿みたいに
酒を浴びるように飲んでは平気な顔して仕事に出てしまう。
「で。お姉さんを呼び出して何かな?」
わかっているクセに。とか思いながら
「今日はエルクさんのお誕生日なので、直接プレゼントを渡したかったんです。」
そういうと、
「あれ?今日だっけ?」
とボケる。
「・・・・・4月の11日ですよね?」
「・・・あ。そっか。」
ぽんと手を打つ。
「本気で忘れていたんですか?」
「いや・・そっか。そうか。今日か。はぁ~。
俺も歳とったなぁ・・・。」
エルクがはぁ~と溜息をつく。
「俺も歳とったわけだ。」
昔はもっとピチピチだったのにとエルクがこぼす。
「今でも十分ぴちぴちのむちむちですよ!」
握りこぶしをして無駄に力説する後輩ハンター。
「・・・お前はどこのおっさんだよ。」
苦笑を浮かべてアレクのグラスにワインを注ぐ。
「とりあえず、冷めちまったけど食おうぜ。
あちこちまわって買ったヤツだから安心して食えるぜ。」
そう言ってスープを温めるためにエルクが立ち上がる。
「あ。僕がやりますよ。」
アレクが尽かさず立ち上がり、台所へと向かう。
たぶん、スープを温めるだけで台所がかわいそうな事になるから。
と思ったら意外ともう手遅れで、適度にこそこそ掃除をしながら
スープを温めた。
もりもりと適度に食事をしながら情報交換をする。
そこら辺で色気がまったくないのが彼女らしい。
適度に腹が満たされ、酒も回り、ほろ酔い気分。
「あ。で。アレク。俺に渡したいのって?」
思い出したかのようにエルクがいう。
「あ。はい。ちょっとまってください。」
鞄をつかんで持ってきて、中身を取り出す。
「はい。お誕生日おめでとうございます。」
「おう。ありがとう。」
なんか照れくさいなと言いながらもうれしそうに包みを受け取る。
淡いオレンジの包み。
「開けてもいいか?」
「はい。」
アレクがにこにことしている。
がさがさと開くと、自分のマントよりも鮮やかなオレンジ。
「うわぁ・・。」
端を持って立ち上がる。
機能性を考えられたドレス。
動きやすさ重視したデザインだが、おとなしい印象を受ける。
胸元に燃えるような赤い大輪が咲いている。
「どうですか?エルクさん専用のドレスです。
頼んで作ってもらいました。」
少々値が張ったが、まぁそれも良しとしよう。
「綺麗だな。ありがとう。こんなのもらったの初めてだ。」
エルクが満面の笑みを浮かべる。
普段は強気で男勝りだが、やっぱり一人の女性。
そういうものに弱いのである。
「似合うかな?」
体に当てながらエルクが聞く。
「はい。もちろんです。僕が見立てんですから。」
「そっか。」
エルクが素直に納得する。
「うーん。着てみたいけど、汚したくないしなぁ・・。」
エルクが壁に下がっている真四角の小さい鏡の前でくるくると回っている。
「それじゃぁ、こうしましょう。」
アレクがいう。
「僕の誕生日にそれを着てお祝いしてください。」
そういうと、
「うっわ。それ目当てかよ。」
エルクが苦笑を浮かべる。
「一番着飾ったエルクさんが僕の最高のプレゼントです。
どうですか?」
そう聞くと、
「覚えていたらな。」
エルクが笑ってそう返事を返した。
++++++
このままギャグで突っ走るのもアリだったけど、
おとなしく馬鹿ップルでしめてみました。
ギャグだと、送るのは下着です(笑
盛大に家ごとアレクを燃やしてほしい。
むしろ、あ・・あたしをもy(ry
エルク。お誕生日おめでとうですvv
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