とりあえず

今日で終わりですな。


＋そば

「…なにこれ」
リカルドがジーニアスに聞く。
「おそば。」
ナルトを切り、そばの入ったお椀に並べる。
「はい。食べよ。」
ジーニアスが椅子に座りいただきますと言って箸を握った。
「…ソバ？」
「うん。」
ずずっとジーニアスがすする。
「食べないの？」
じっとジーニアスが見上げてくる。
「食べる。」
椅子に座り、いただきますを言ってから食べる。
独特の風味が喉を通っていった。
「美味しい？」
「ああ。」
短く返事を返してソバをすする。


「外だと大晦日にソバ食べるの。」
食事が終わり、リカルドの膝を独占したジーニアスが言う。
「なんか、長生きしますようにって意味みたい。」
「ふーん。なんつーか、そこまでして長生きしたいんだな。
人間って。」
リカルドがまじまじと言う。
「そうだね。ほんと。」
ジーニアスが苦笑を浮かべる。
「僕たちは長生きするからね。
人間は…きっと理解出来ないんだよ。」
濃いめのコーヒーが入ったカップを握りしめる。
「だから人間とエルフが交わるのはタブーなのかもしれないね。」
「そうだな。」


「あ。１２時なった。」
ボーンボーンと古い立派な時計が鳴る。
「リカルド。今年もよろしくね。」
「おう。よろしくな。」
そう挨拶交してキスをした。



また一年、よろしくお願いいたします。